ながよしデンタルクリニックでは、妊娠中及び産後の口腔ケアーに関する専門外来を設けております。
私は、「お母さんからはじまる、ご家族のお口の健康維持増進」と言っても過言ではないと考えております。
妊娠中のお母さんは、大切な胎児の成長を一番と考え、自分自身の健康おろそかにしがちです。
心身ともにお母さんの健康がいかに胎児への一番の贈り物かということを、
医療従事者の私の立場から、皆様へ気づいていただきたいと痛感しております。
私たちが年を取り、今から産まれてくる赤ちゃんが大きく成長をして、結婚をし、お孫さんがご誕生するときにご夫婦で健康な身体で晩年を迎え、ご自身達の力で生きがいのある人生を迎えられるよう
ご主人様にもお口のケアーを受けてもらうようお勧めしています。
健康は一度損なうと回復には、人並みなたらね苦労と時間を費やしますが、健康を維持増進するには、今のままの生活から少しの努力と継続だとわたしは思います。皆さまが、健康で明るい将来を迎えられるよう、今日の今から歯ブラシを握る時間を少し長くしてみませんか?
当院では、産前産後もお子様と一緒に通いやすく、安心して治療を受けて頂けます。
授乳室
おむつ交換台
ベビーヤード
無料託児室「Disney」
妊娠中の健康を維持したり、胎児に十分な栄養を補給したりするには、バランスのとれた食生活が大切です。むし歯の予防はもちろんのこと、赤ちゃんの歯の成長を妨げないようにするためにも、歯を丈夫にする栄養素を含んだ食品をしっかり食べましょう。赤ちゃんの歯の形成は胎児期から始まっています。歯のもとになる歯胚が乳歯では胎生7週ごろから、永久歯では胎生14週頃からつくられ始めています。
治療の際には、レントゲンや薬を使用することがあるので、診察前に医師に妊娠していることを伝えましょう。診断を受けて治療が必要になった場合は、安定期でもある妊娠中期(5~7か月:16~27週)の治療がより安心です。また、治療に必要な歯が多数ある場合には、痛みなどの症状がある歯を優先的に治療しましょう。
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歯のレントゲン写真は胸のレントゲン写真などに比べて非常に放射線量が少なく、胎児のいる腹部から離れているため、問題はありません。腹部の被ばくを防ぐために防護エプロンをつければさらに安心です。
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局所麻酔であれば、まったくといっていいほど問題になりません。痛みを我慢して治療を受ける方が母体の受けるストレスは大きくなってしまいます。
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妊娠初期には(催)奇形(性)が心配されます。「この薬は100%大丈夫」というものはありませんが、「これまでの経験から、まず大丈夫であろう」という薬はいくつもありますので、それを使います。
妊娠後期から末期にかけては、鎮痛剤の使用は注意が必要です。薬の成分などに疑問点があれば遠慮せずに質問してください。
出産後は育児に追われ、妊娠中以上に歯科治療を受けづらいものです。妊娠中の治療が応急処置的で不完全な場合には、早めの処置を完了しておきましょう。妊娠中は、歯周病や虫歯になりやすいので、診断のついでに、ブラッシング指導や、歯石除去を受けるといいでしょう。
- 1.妊娠中でも歯科の治療を受けて大丈夫でしょうか?
- まず妊娠何ヶ月かを正確にかかりつけの先生に告げて下さい。レントゲン撮影や投薬等、影響の考えられる治療は避けてもらえます。
妊娠中期になれば安定期に入り、通常の治療はほぼ差し支えないでしょう。前期と後期は先生の指示に従って、治療を受けて下さい。 - 2. 妊娠中の歯の治療でエックス線写真を撮っても大丈夫でしょうか?
- 妊娠初期は赤ちゃんのエックス線に対する感受性が高いので注意が必要ですが、歯科で用いるエックス線撮影では赤ちゃんに直接エックス線が当たることはないので危険度は相当低いです。防護用の鉛のエプロンを必ず着用いただき撮影を行いますので問題はまずありません。
- 3. 妊娠中の歯科の治療で麻酔の注射を受けても赤ちゃんに影響はないでしょうか?
- 妊娠中の歯科麻酔は控えた方がいいのは当然です。しかし、むし歯の治療などでは、痛みを我慢して治療を受ける方がかえって母子ともにストレスとなることもあるので、必要に応じ最小限の歯科麻酔を行うこともあります。ただし、歯科麻酔は局所麻酔であり麻酔薬の使用量も非常に少なくて済みますので、お腹の赤ちゃんにまで影響が及ぶ可能性は極めて低いと言えます。安心して歯科治療を受けてください。
- 4. 妊娠中は歯槽膿漏になりやすいのでしょうか?
- 歯周病菌の中には妊娠期に上昇する女性ホルモンを利用して増えるものがいます。そして、妊婦さんの半数以上に歯肉がはれ出血しやすくなる「妊娠性歯周炎」が見うけられますので、出産前後には歯肉のチェックや治療を受けてください。
- 5. 歯周病が原因で赤ちゃんに影響はでるのでしょうか?
- 歯周病のひどい妊婦さんは歯周病菌の影響で、早産や低体重児出産などの妊娠トラブルの危険性が高くなることが報告されています。
- 6. よく「一子産むと一歯失う」と言われますが本当でしょうか?
- 赤ちゃんにお母さんの歯のカルシウムが取られているからではありません。それは、妊娠のため唾液の性状が変化して、お口の中が粘っこく(歯垢が増える)酸性に傾きむし歯になりやすい、つわりや体調の変化で歯磨きが怠りがちになる、食事回数の増加や、時間が不規則になりお口の中が汚れやすくなるからです。
歯の成人病とも言われる歯周病は歯を支える歯肉や顎の骨の病気で、お口の中の歯周病菌によって引き起こされます。
それらの中には、女性ホルモンを利用して増える(インターメディア菌)がいて、妊娠中には歯肉が赤く腫れ、出血や痛みをきたしやすいのです。また、出産後でも育児で忙しく、お口の中の適切なケアがなされないままでいると、歯周病が進行してしまいます。 - 7. 赤ちゃんの乳歯はいつ作られるのでしょうか?
- 赤ちゃんの乳歯の歯胚(歯の芽)は妊娠7週目頃から出来ると言われす。したがって、強くて丈夫な歯は、お母さんからのバランスの良い栄養が頼りです。
そして、お子様のむし歯予防は、妊娠中の「マイナス1歳」からスタートすることが、むし歯菌の「母子感染」を予防する意味からも、最も理想的で効果があります。さらに、お母さん自身のお口の健康維持、それが家族全員のお口の健康にもつながっていきます。 - 8. むし歯はうつると聞きましたが本当でしょうか?
- むし歯菌は親子間で唾液を介してうつってしまうこと(親子感染)があり、むし歯の多い両親の子供は、早くからむし歯になる危険性が高いと言われています。授乳時期はお子さまの将来のお口の健康にとって、とても大切な時期です。ご一緒にお子さまのお口の健康を考えましょう。
口移しでものを食べさせたり、大人が使った箸で赤ちゃんに食事をさせたりすると、むし歯菌などの細菌が増えてお口の中の病気の原因となる事があります。生後1才半から3才がむし歯菌の住み着く時期です。しかし、子どもとのスキンシップを止めることはありません。なによりも、お母さんのむし歯の治療や予防が大切なのです。お母さんのお口をきれいにすると子どももむし歯ができにくくなります。 - 9. 家庭でできるむし歯予防法はありませんか?
- むし歯はミュータンス菌(むし歯菌)の感染によっておきます。ミュータンス菌は砂糖を栄養源としており、酸を出して歯をとかします。小学校3~4年まで親が寝る前に仕上げ磨きをしてあげて下さい。磨いた後は就寝まで食べ物・ジュース・アイスクリームなどを与えないで下さい。水またはお茶であれば大丈夫です。フッ素入り歯磨き剤・フッ素のうがい薬などで毎日フッ素を使うようにして下さい。キシリトール100%入りのガム・タブレットを利用して下さい。甘いものを与える時は、甘いものの量ではなく与える回数が問題です。回数を決めてできるだけその回数を減らすようにして下さい。
- 10. 歯科医院でのむし歯の予防法とは?
- ・ミュータンス菌を含むバイオフィルムを歯からはがす。・フッ素を塗る。・シーラントをする。・レーザーをあてる。などがあげられます。
- 11. フッ素はなぜむし歯を予防できるの?
- 脱灰再石灰化バランスがくずれるとむし歯になる!!歯の表面では、歯の成分であるミネラルが溶け出す脱灰と、ミネラルが歯の中に戻って結晶化する再石灰化がくり返されています。この脱灰→再石灰化のバランスがくずれて、ミネラルが溶け出す脱灰の方が大きくると、むし歯ができます。脱灰再石灰化のバランス、つまりむし歯になりやすいかどうかは、・口の中の細菌の種類や量 ・だ液の性質や量 ・飲食の頻度や種類 ・フッ素の利用の仕方やブラッシング などがかかわっています。その中の一つフッ素が、ミネラルが溶け出す脱灰をおさえ、ミネラルが歯の中に戻る再石灰化を助けて、むし歯の発生や進行を防ぐのです。また、歯質の強化、口の中の細菌の発育をおさえる効果も期待できます。